【東京パラリンピック】水泳の種目別注目選手と標準記録まとめ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

東京パラリンピックが近づいてきました!

他の記事でも書いていますがパラ水泳は日本人選手のメダル獲得が大いに期待できる競技の一つです。

前回のリオパラ2016でも水泳だけで7個のメダルを獲得しています!

2020年は東京での開催となることからさらなる活躍も期待できますね。

そこで今回は東京パラリンピック・水泳の

  • 種目別で注目選手をピックアップ
  • 種目別の参加標準記録

をお伝えしたします。

東京パラリンピック・水泳の種目別で注目選手をピックアップ!

冒頭でリオパラでは水泳だけでメダル7個獲得!とお伝えしましたが、実は銀メダルと銅メダルだけ。金メダルは全競技を通して残念ながら0個という結果でした。

2020東京大会では地元の利を生かして是非ともあと一歩前進してもらいたいなって思います。プレッシャーも強いとは思いますが。

選手紹介の前にパラ水泳のクラス分け一覧を確認しておきましょう。

数字 障害の種類 障害の程度
肢体不自由
重度
 ↓↑
 ↓↑
 ↓↑
 ↓↑
 ↓↑
 ↓↑
 ↓↑
 ↓↑
10 軽度
11
視覚障害
重度
12  ↓↑
13 軽度
14 知的障害  
15 聴覚障害  
21 その他  
泳法
S
自由形
背泳ぎ
バタフライ
SB 平泳ぎ
SM 個人メドレー

では2020年東京パラリンピックの水泳競技で期待される注目選手5名紹介いたします。

注目選手その1:木村敬一選手/S11・SB11・SM11

  • 生年月日:1990年9月11日(2019年7月現在28歳)
  • 出身地:滋賀県栗東市
  • 身長/体重:171cm/65kg
  • 所属:東京ガス
  • クラス:S11/SB11/SM11

11は全盲のクラスです。

木村選手が水泳を始めたのは小4の時。お母さんの勧めからのことでした。増殖性硝子体網膜症により2歳で全盲になったものの、小学校を卒業後進学した筑波大附属視覚特別支援学校でぐんぐん頭角を現しました。

S(自由形・背泳ぎ・バタフライ)とSB(平泳ぎ)、SM(個人メドレー)とマルチなイメージですが得意なのは平泳ぎで好きなのはバタフライと語っています。

2008年の北京からパラリンピックに出場していて2020東京パラリンピックに出場すると4大会連続出場となります!

過去に出場したパラリンピックの成績をまとめておきます。

木村敬一選手の過去出場パラリンピックの成績
年/開催地 出場種目 成績
2008年/北京 100m自由形  5位
100mバタフライ  6位
100m平泳ぎ  5位
2012年/ロンドン 100m平泳ぎ  銀メダル
100mバタフライ  銅メダル
100m自由形  5位
50m自由形  5位
2016/リオ 50m自由形  銀メダル
100m平泳ぎ  銅メダル
100mバタフライ  銀メダル
100m自由形  銅メダル
200m個人メドレー  4位

前回のリオパラリンピックでのメダル獲得数がひとりで4個は圧巻です…。

実はこれ金メダルを目指して厳しい練習を課してきた結果。東京パラリンピックにかける思いも人一倍強いに違いありません!

注目選手その2:中島啓智(なかじまけいち)選手/S14・SB14・SM14

https://twitter.com/GettySportJPN/status/777330841567449088

  • 生年月日:1998年11月16日(2019年7月現在20歳)
  • 出身地:兵庫県姫路市
  • 身長/体重:176cm/65kg
  • 所属:あいおいニッセイ同和損保
  • クラス:S14/SB14/SM14

2020東京パラリンピック開催時でもまだ21歳の中島選手は2016年のリオパラリンピックでもメダルを獲得しています。

その後もバタフライで日本新記録やアジア新記録を樹立するなど成長著しい選手で、知的障害者水泳のエースと言われるほどになりました。

それだけでなく2018年11月短水路(25m)プールで行われた知的障害者選手権では非公認ながら世界記録を上回るタイムを100mバタフライで叩き出しています!

ところが水泳を離れると一転、遠征先でご当地キャラのぬいぐるみを探して収集するのが楽しみの1つだそう。見た目の可愛らしい雰囲気そのまま。

こちらも過去の国際大会の成績をまとめました。

中島啓智選手の出場した主な国際大会と成績
開催年/大会名 出場種目 成績
2016年/リオパラ 200m自由形  6位
200m個人メドレー  銅メダル
2018年/パンパシフィックパラ水泳選手権大会 20m自由形  3位
200m個人メドレー 2位
100m背泳ぎ  1位
100mバタフライ  2位
混合4×100mフリーリレー 2位
2018年/アジアパラ競技大会 200m自由形  3位
100m背泳ぎ  2位
100mバタフライ  2位
200m個人メドレー  3位

この結果を見たら東京でも期待せずにはいられませんよね。

注目選手その3:東海林大(とうかいりんだい)選手/S14・SB14・SM14

  • 生年月日:1999年3月9日(2019年7月現在20歳)
  • 出身地:山形県山形市
  • 所属:三菱商事(株)
  • クラス:S14/SB14/SM14

前述の中島選手と同い年の20歳。中島選手同様に知的障害者水泳界をリードする若きエースです。

昨年11月金沢市で開催された第21回日本知的障害者選手権水泳競技大会で非公認ながら世界新相当の記録をマークしています。

200m個人メドレーではオランダのマーク・エバース選手の2分9秒48を大きく上回る2分6秒39。

その後の100m自由形でも52秒63で自身で出した日本記録を塗り替え日本新。

そんな東海林選手ですがリオパラリンピックには出場できませんでした。

4歳の時に自閉症と診断された東海林選手はその障害ゆえに感情のコントロールに苦労し、プレッシャーにも負けてしまうことが多かったそうです。

それが災いしてリオパラの派遣標準記録に届かず夢を逃してしまいました。

けれども2018年3月富山県で開かれた合宿に参加した際、トレーナーからかけられた言葉がきっかけとなり大きな成長を遂げます。

それは

「明るく笑顔で楽しんで」

その一言で体から無駄な力が抜けて本来の実力が発揮できるように。

それから同年4月には父親の勧めで「できたことノート」もつけるようになり、それも平常心でレースに臨める手助けになっているとのこと。

そのノート、以前からつけていた練習日誌と違うのが『練習でうまくいったことだけを書く』。

それによりくよくよ考え込まずに済むようになりレースの結果にも効果が表れるようになりました。

ここで東海林選手の過去の成績も一覧にしますね。

東海林大選手が出場した主な国際大会と成績
開催年/大会名 出場種目 成績  
2016年/INAS Swimming Chanpionships Asia 100m自由形 1位 アジア新記録
2018年/World Para Swimming World Series 100mバタフライ 1位 世界新記録
2018年/パンパシフィックパラ水泳選手権大会 200m個人メドレー 1位  
100mバタフライ 1位  
2018年/アジアパラ競技大会 100m平泳ぎ 2位  
100mバタフライ 1位 大会新記録
200m個人メドレー 1位 大会新記録

ここでは主に国際大会を中心にしていますが国内大会でも日本新記録をいくつかマークしています。

  • 100m自由形
  • 200m自由形
  • 200m個人メドレー

といったところ。

精神的にも大きく成長した東海林選手の飛躍が楽しみです。

注目選手その4:辻内彩野選手/S13・SB13・SM13

https://twitter.com/Tokyo2020jp/status/1140046328896077825

  • 生年月日:1996年10月5日(2019年7月現在22歳)
  • 出身地:東京都江戸川区
  • 所属:三菱商事(株)
  • クラス:S13/SB13/SM13

ご両親ともに競泳の選手だったことから幼い頃より水泳が常に身近にあり、小学校3年生の時に自らの意志でお父さんがコーチを勤めているスイミングスクールで水泳を始めました。

中学校に進学すると本格的に競泳を始め、高校2年生と3年生ではインターハイにも出場しています。

『黄斑ジストロフィー』と診断されたのは大学進学後。視力が徐々に低下していく病気です。

高校生まではパラ水泳ではなく一般の競泳に取り組んでいましたが、相次ぐけがのため卒業後は一旦競泳から離れます。

大学では趣味として水泳を楽しんでいたものの、当時高校生で競泳の選手としてレースにも出場していた妹さんの影響で再び水泳を始めました。

そこからは自然とパラ水泳へという流れです。それが2017年のこと。

パラ水泳に転向するとすぐに視覚障害選手のトップに。

パラ水泳に転向してからの国際大会での成績です。

辻内彩野選手の過去の主な国際大会と成績
開催年/大会名 出場種目 成績  
2018年/パンパシフィックパラ水泳選手権大会 50m自由形 2位 日本新記録
100m背泳ぎ 2位 日本新記録
2018年/アジアパラ競技大会 50m自由形 3位  
100m自由形 3位  
400m自由形 3位  
200m個人メドレー 3位  
100m背泳ぎ 4位 日本新記録
100m平泳ぎ 4位  

2年間もブランクがあってそれからパラ水泳に転向したにも関わらず日本新記録がいくつもあり、やっぱり素晴らしい選手なんだなって思います。

ちなみに辻内選手の持つ日本記録は

  • 50m自由形(00:27.92)
  • 100m自由形(1:00.66)
  • 200m自由形(2:17.27)
  • 400m自由形(4:52.71)
  • 100mバタフライ(1:13.75)
  • 100m背泳ぎ(1:11.52)
  • 100m平泳ぎ(1:51.40)

こんなにあるんですね!

現在は東京パラリンピックを目指して早朝の自主練や嫌いなウエイトトレーニングにも積極的に取り組んでいます。

注目選手その5:芹澤美希香選手/S14・SB14

https://twitter.com/swimmerhagitomo/status/1137562679042666496

  • 生年月日:2000年8月13日(2019年7月現在18歳)
  • 出身地:静岡県沼津市
  • 身長/体重:158cm/48kg
  • 所属:宮前ドルフィン
  • クラス:S14/SB14

芹澤選手は3歳で『広汎性発達障害』と診断されました。きっかけは言葉の発達の遅れを指摘されたことでした。

広汎性発達障害とは

  • コミュニケーションが苦手
  • 独自のこだわりが強い

などの特徴がある神経発達障害の一種です。

2013年に診断基準が改訂され自閉症やアスペルガー症候群などと統合され『自閉症スペクトラム障害』とされました。

広汎性発達障害も人により症状や程度が様々。芹澤選手は

  • 周囲からの言葉に敏感で影響を受けやすい
  • 真面目で何をするにも頑張りすぎてしまう
  • 自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手

といった傾向が強いそうです。

そのためご家族やコーチなど周囲の方々は練習の量が適切になるよう調整したり、体調にも気を配り、気持ちが沈んだ時にもそっと寄り添うようにしてサポートしてきました。

芹澤選手自身も言葉でのコミュニケーションが苦手な分、メールなどでコーチに伝えるよう工夫もしています。

インタビューでは正確に答えたいという思いから時間をかけて慎重に言葉を選んでいます。

そんな芹澤選手の専門は平泳ぎ。9月9日から始まる『世界パラ水泳選手権』にも出場することが決まっています。

実はパラリンピック水泳の知的障害のクラスでは女子選手の出場はまだありません。

というのも1998年長野五輪から知的障害のスポーツが正式種目となりましたが2000年シドニーパラリンピックのバスケットボールで複数の国による「健常者替え玉事件」が発覚。フェアプレーに反するとしてこの事態を重く受け止めそれ以降、知的障害の全種目が無期限出場停止となっていました。

パラリンピックでようやく知的障害のスポーツが正式種目として復活したのは2012年のロンドン。水泳・陸上・卓球が認められました。

が、水泳の女子の出場は未だ叶っていません。今では東京パラリンピックを目指す女子選手もいて、もちろん芹澤選手もそのうちのひとりです。

また芹澤選手はまだ若く国際大会の経験が少ないため国内大会を中心にまとめました。

芹澤美希香選手が主に出場した大会と成績
開催年/大会名 出場種目 成績
2018年/日本知的障害者選手権新春水泳競技大会 100m平泳ぎ 1位
50m平泳ぎ 1位
2018年/パラ水泳春季記録会 100m平泳ぎ 1位
100m自由形 5位
2018年/知的障害者選手権水泳競技大会 100m平泳ぎ 1位
50m平泳ぎ 1位
2018年/ジャパンパラ水泳競技大会 100m自由形 5位
100m平泳ぎ 3位
2018年/アジアパラ競技大会 200m自由形 7位
100m平泳ぎ 3位
2018年/日本知的障害者選手権(25m)水泳競技大会 100m個人メドレー 1位
100m平泳ぎ 1位
50m背泳ぎ 4位
2018年/日本パラ水泳選手権大会 100m平泳ぎ 1位
50m自由形 2位

3月の記録会では自身の持つ日本記録を更新し、派遣標準記録も突破。

体の柔軟性を武器に飛躍を続ける芹澤選手をみんなで応援しましょう!

 

東京パラリンピック・水泳の参加標準記録を種目別で!

今のところ(2019年7月)東京パラリンピックの参加標準記録は発表されていません。

情報が入り次第追記するとして前回大会のリオパラリンピックの派遣標準記録を一覧にしました。

リオパラリンピック水泳派遣標準記録
男子 自由形 背泳ぎ
  50m 100m 200m 400m 50m 100m
S1         1:34.33 3:13.83
S2     4:40.85   1:01.24 2:16.35
S3 51.00   3:53.36   53.24  
S4 40.86 1:28.36 3:12.37   49.25  
S5 35.21 1:18.86 2:49.06   41.42  
S6 32.87 1:09.52   5:24.63   1:18.87
S7 29.32 1:03.54   5:12.76   1:16.32
S8 27.79 1:01.12   4:36.85   1:06.46
S9 26.79 58.05   4:27.09   1:05.86
S10 24.90 55.07   4:19.48   1:02.36
S11 27.87 1:01.95   5:11.45   1:15.61
S12 24.59         1:01.57
S13 24.41 53.34   4:13.62   1:02.31
S14     2:00.35     1:03.60
男子 平泳ぎ バタフライ 個人メドレー
  50m 100m 50m 100m 150m 200m
S1            
S2 1:03.14          
S3 53.38       3:28.10  
S4   1:45.25     2:40.67  
S5   1:39.00 39.09      
S6   1:27.50 32.84     2:50.38
S7   1:22.97 31.99     2:42.71
S8   1:14.59   1:04.76   2:27.94
S9   1:09.39   1:02.37   2:21.96
S10       58.80   2:15.29
S11   1:18.58   1:07.62   2:39.08
S12   1:11.50        
S13   1:11.83   58.33   2:15.30
S14   1:09.07       2:17.69
女子 自由形 背泳ぎ
  50m 100m 200m 400m 50m 100m
S1            
S2         1:23.48 2:55.02
S3   1:57.90     1:03.46  
S4 53.36       55.92  
S5 41.44 1:28.43 3:10.73   49.43  
S6 36.08 1:15.95   6:01.54   1:29.29
S7 35.29 1:15.91   5:47.64   1:29.36
S8 31.93 1:10.06   5:08.25   1:23.98
S9 29.95 1:05.79   4:59.83   1:12.95
S10 28.43 1:03.21   4:42.42   1:10.39
S11 34.18 1:14.45   5:55.28   1:28.49
S12 29.77         1:17.32
S13 28.84 1:00.92   4:49.56   1:15.48
S14     2:18.44     1:15.21
女子 平泳ぎ バタフライ
個人メドレー
  50m 100m 50m 100m 150m 200m
S1            
S2            
S3 1:07.53          
S4   2:02.86     3:18.23  
S5   1:59.32 47.20     3:52.82
S6   1:45.25 40.11     3:19.59
S7   1:44.15 38.70     3:10.90
S8   1:22.50   1:20.24   3:01.70
S9   1:21.23   1:10.60   2:40.64
S10       1:11.24   2:32.87
S11   1:38.25       3:08.06
S12            
S13   1:23.48   1:09.14   2:32.31
S14   1:22.36       2:34.40

 

  4×50m混合リレー 4×100mリレー 4×100mメドレーリレー
混合 2:58.73    
男子   4:27.90 4:45.94
女子   4:37.88 5:09.90

※空欄は該当者がいない、あるいはそのクラスの競技がないなど

例えば同じ50m自由形でもクラスが細かく分かれているので表が少し大きくなってしまいました。

近年は規模の大きい大会などになると参加(派遣)標準記録が必ずと言っていいほど設定されていて、選手は結果を待つことなく自分の記録を見た途端、出場できるか否かが分かるようになっていますね。

ちなみに参加標準記録とは「ある大会に出場するためにはこのくらいはクリアしておいてね」っていうもので派遣標準記録とは参加標準記録をクリアした選手にさらに厳しいタイムを課して参加人数を絞り込むというもの。

したがって参加標準記録よりも派遣標準記録の方が厳しく設定されています。

場合によっては日本記録さえも上回る記録が設定されていることも!

選手の皆さんには本当に厳しい戦いを余儀なくされていますね。

 

まとめ

今回は東京パラリンピック・水泳の注目選手や標準記録をお伝えしました。

まとめると

  • 個人的に注目している選手は
    • 木村敬一選手(S11/SB11/SM11)
    • 中島啓智選手(S14/SB14/SM14)
    • 東海林大選手(S14/SB14/SM14)
    • 辻内彩野選手(S13/SB13/SM13)
    • 芹澤美希香選手(S14/SB14) の5選手
  • 東京パラリンピックの標準記録はまだ発表されていない模様
  • リオパラリンピックの標準記録を一覧にしました(本文中)
  • 参加標準記録はある大会に出場するためにクリアする記録
  • 派遣標準記録は参加標準記録をさらに厳しくして選手を絞り込むもの

といったところです。

まだまだ東京オリパラへの道のりは長いと思っていたのにあっという間にあと1年。

オリパラ出場を目指している選手の皆さんはいろいろな葛藤や悩み、不安などを抱えながら日々練習に明け暮れていることでしょう。

今は選手の皆さんが納得できる選出方法であってほしいなって思っています。ただでさえオリンピック離れが進んでいる昨今、4年に1回しかないんですから遺恨の残らない大会にしてもらいたいと心から願っています。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。